ワインバーグのシステム思考法
ワインバーグのシステム思考法
ソフトウエア文化を創る1
共立出版(1994)
ソフトウェア・プロジェクト
G.M.ワインバーグ
★★★★★
"Quality Software Management"の4部作の第1巻。「複雑な状況を理解する能力」に焦点を当てる。
最初に「品質パターン」として、ハンフリーのプロセス成熟度をベースにした6つのソフトウェアサブカルチャーの
パターンが定義される。だがアプローチはCMMと全く違う。ワインバーグはパターン1とパターン2からパターン3
へ移行するために思考パターンを変えなければならず、そのために本書を書いたと言っている。CMMの
アプローチに関しては、「方程式から人の項を消去するようなもの」と批判している。要するにキーは人であり、
優秀な管理者になるためにはどうすればよいかということである。私はワインバーグのアプローチに全面的に賛成する。
ワインバーグの著作では他に「コンサルタントの秘密」「プログラミングの心理学」を強く勧める。(後者は残念ながら絶版のようだが・・・)
以下、印象に残った部分を挙げる。
・他の全ての原因よりもカレンダー時間の切迫が、ソフトウエアプロジェクトにその失敗の現実を直視させる。
・縮尺の錯覚-大きなシステムは、小さなシステムと似たようなもので、単により大きいだけだ。
・行動は早めに、かつ少しずつ-パターン2のマネージャーは楽天的であり、物事がまずくなった時、自ずと良くなっていくだろうと想像する。問題を認め、かつ非線型システムが、それ自身では直らないことを悟った時、彼らはとてつもなく大きな訂正を試み、さらに悪い非線型サイクルをはじめる。
・大切なのは出来事ではない、出来事に対する反応だ(火災に見舞われた2つのプロジェクトを比較する。片方は成功し、他方は失敗した例を分析する)
・欠陥フィードバック率(FFR=生成された欠陥/解決された欠陥)の適用例。ある企業では規模の小さい訂正の方が大きいFFRを持っていたことが分かり、規模によらずレビューするようになった。
・ブーメラン効果-品質を手っ取り早く片づけようとすればするほど、問題はますます悪くなる。

