トマシーナ
ポール・ギャリコ(Paul Gallico)
山田蘭訳
東京創元社
2004
TOMASINA
1957
ポール・ギャリコの猫ファンタジーの傑作。
「ジェニィ」を大叔母だというトマシーナという猫を中心に物語が展開するが、テーマは冷たい合理主義者だった獣医のマクデューイが、愛に目覚め、魂の再生を果たす物語である。
トマシーナを安楽死させられたことで、口が聞けなくなってしまう、マクデューイの娘、メアリー・ルー、メアリー・ルーの愛猫トマシーナ、マクデューイに神に祈ることの必要性を説く、牧師のペディ、町外れに動物たちと暮らす、妖精と話すという「魔女」ローリ、甦った猫の神バスト・ラーが織り成す感動的なファンタジー。
半世紀も前であるが、ギャリコはこの作品で、合理主義と、相対する、河合隼雄の言うところの「たましい」の融和を説いているように思える。ポール・ギャリコは読者をぐいぐいと引っ張って行き、クライマックスの嵐の夜は圧巻である。
なお、未見ですがディズニーが実写で映画化していて、主演は「プリズナーNo.6」のパトリック・マッグーハンです。


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